エンジニア転職のフローと必要な手続き
エンジニア転職は、希望条件の整理から始まり、求人選定、書類応募、面接、内定、退職、入社という順序で進みます。現職を辞めてから活動を始めると収入が途切れる可能性があるため、原則として在職中に準備を進める方法が安定しやすいでしょう。
転職活動の基本的な流れ
- 転職理由と希望条件を整理する
- 職務経歴書とポートフォリオを準備する
- 転職サイトや転職エージェントへ登録する
- 求人票と企業情報を比較する
- 応募書類を企業ごとに調整する
- 技術面接や適性検査へ備える
- 内定後に労働条件通知書を確認する
- 退職日と入社日を調整する
- 就業規則に沿って退職手続きを進める
内定を受けた際は、口頭説明だけで判断せず、雇用形態、勤務地、業務内容、給与、試用期間、勤務時間などの条件を書面で確認してください。
現職を退職する前に確認すること
退職を申し出る時期や手続きは、勤務先の就業規則も確認する必要があります。担当業務、ソースコード、設計書、アカウント、顧客対応などの引き継ぎを整理し、機密情報や会社のデータを個人端末へ持ち出さないよう注意しましょう。
入社日を先に確定してしまうと、退職日との調整が難しくなることがあります。内定先と現職の双方へ、実現可能なスケジュールを伝えることが大切です。
エンジニア転職のポートフォリオの作り方
ポートフォリオは、完成した画面を見せるだけの資料ではありません。何を解決するために作り、どの技術を選び、どのような工夫をしたのかを説明するためのものです。
実務未経験者は開発過程を見せる
未経験者のポートフォリオには、次の情報を掲載すると技術力や学習過程を伝えやすくなります。
- サービスの目的と想定利用者
- 使用した言語、フレームワーク、データベース
- 画面構成と主要機能
- 設計時に工夫した点
- 発生した問題と解決方法
- テストやセキュリティへの対応
- 今後改善したい点
チュートリアルをそのまま再現した作品よりも、自分で機能を追加し、設計理由を説明できる作品のほうが経験を伝えやすくなります。
GitHubを公開する前に確認する
ソースコードを公開するときは、APIキー、パスワード、個人情報、勤務先のコードなどが含まれていないか必ず確認してください。
READMEには、環境構築の手順、使用技術、主要機能、テスト方法などを記載します。採用担当者が短時間でも概要を理解できる構成にしましょう。
経験者は職務経歴書を中心にする
実務経験者は、個人開発の作品よりも、職務経歴書で担当工程や成果を明確にするほうが重要な場合があります。
守秘義務に反しない範囲で、システムの目的、利用者数の規模、チーム人数、自分の役割、使用技術、改善内容などを整理してください。公開できない業務を無理にポートフォリオ化する必要はありません。
エンジニア転職で有利になりやすい資格
資格だけで採用が決まるわけではありませんが、実務経験が浅い場合や、未経験分野へ移る場合には、基礎知識を学んだ証明として役立つことがあります。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構が実施する国家試験です。ITエンジニアに必要となる基礎的な知識や技能が対象となっており、プログラミング、アルゴリズム、ネットワーク、データベース、セキュリティなどを体系的に学べます。
試験方式や実施日程は変更されることがあるため、受験時には公式情報を確認してください。
クラウド関連資格
クラウドエンジニアやインフラエンジニアを目指す場合は、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの認定資格が学習目標になることがあります。
例えばAWS Certified Cloud Practitionerは、AWSクラウド、サービス、用語などの基礎理解を確認する認定です。ただし、資格取得だけでなく、実際に環境を構築し、ネットワークや権限設定を説明できることも重要です。
資格は求人から逆算して選ぶ
知名度のある資格を無計画に集めるのではなく、希望求人の必須条件・歓迎条件を確認して選びましょう。
開発職であればポートフォリオ、インフラ職であれば構築経験、データ職であればSQLやデータ加工の成果物など、資格以外の準備も並行して進める必要があります。
エンジニア転職の面接対策
エンジニアの面接では、志望動機や転職理由に加え、これまでの技術経験、問題解決の方法、チームでの役割などを確認されます。技術用語を並べるだけでなく、実際の行動を順序立てて説明することが重要です。
スキルは使用年数だけで説明しない
「Javaを3年間使用した」と伝えるだけでは、どの程度の業務を担当できるのか判断しにくくなります。
- どのようなシステムで使用したか
- 新規開発か保守開発か
- どの工程を担当したか
- チーム内でどのような役割だったか
- 発生した問題をどう解決したか
経験を具体化し、応募先でどのように生かせるかまで説明してください。
転職理由は不満だけで終わらせない
残業、給与、評価制度などが転職のきっかけになることはあります。ただし、面接で現職への不満だけを伝えると、入社後も同じ理由で退職するのではないかと懸念される可能性があります。
現状の課題を簡潔に説明したうえで、「今後どのような経験を積みたいか」「応募企業で何を実現したいか」へつなげましょう。
面接で確認しておきたい質問
- 配属予定のチーム構成
- 開発手法とコードレビューの方法
- 入社後に担当する予定の業務
- 技術選定を行う担当者
- 障害発生時の対応体制
- エンジニアの評価基準
- 研修や学習支援制度
- リモートワークと出社の運用
質問は待遇確認だけに偏らせず、仕事の進め方や期待される役割も確認すると、入社後のミスマッチを減らしやすくなります。
エンジニア転職で年収アップを目指す方法
エンジニアの年収は、使用言語だけで決まるものではありません。担当工程、業界知識、マネジメント経験、企業の事業規模、勤務地、評価制度などによって変わります。
年収につながりやすい経験を整理する
年収交渉では、希望額を伝えるだけでなく、その根拠となる経験を示す必要があります。
- 要件定義や基本設計など上流工程の経験
- クラウド環境の設計・構築経験
- セキュリティや性能改善の経験
- プロジェクトリーダーや育成の経験
- 顧客折衝や見積もりの経験
- 特定業界に関する業務知識
- 売上向上や工数削減につながった改善実績
成果を説明するときは、根拠のある範囲で、処理時間、障害件数、作業工数などの変化を示すと内容が伝わりやすくなります。
求人票の上限だけを見ない
「年収○万円~○万円」と記載されていても、上限額が提示されるとは限りません。求人票の金額だけでなく、自分と近い経験を持つ人の採用例や、評価制度、昇給の仕組みも確認しましょう。
複数の内定を比較する場合は、年収だけでなく、担当業務、残業時間、福利厚生、学習環境、将来のキャリアも含めて判断してください。
エンジニアから別職種へ転職する選択肢
エンジニアから転職する場合も、これまでの経験を捨てる必要はありません。技術への理解を生かせる関連職種へ移る方法があります。
技術経験を生かしやすい関連職種
- ITコンサルタント
- プロジェクトマネージャー・PMO
- プロダクトマネージャー
- プリセールス・セールスエンジニア
- カスタマーサクセス
- IT企画・社内DX担当
- 技術研修・エンジニア採用
「開発が合わない」と感じた場合は、技術そのものが合わないのか、勤務先の開発体制や担当工程が合わないのかを切り分けることが大切です。企業や職種を変えることで、経験を生かしながら働き方を変えられる可能性があります。
転職先を決める前の最終確認
エンジニア転職で大切なのは、有名な企業や人気の技術だけで判断せず、自分がどのような仕事を続けたいのかを明確にすることです。
- 入社後の担当業務を具体的に理解しているか
- 給与の内訳と評価制度を確認したか
- 希望する技術や工程を経験できるか
- 配属先と勤務地の決まり方を確認したか
- 転職理由が新しい職場で解決できるか
- 数年後のキャリアにつながる経験を積めるか
転職サイトでは幅広く求人を確認し、転職エージェントでは市場価値や非公開求人、選考対策について相談するなど、サービスを目的別に使い分けましょう。求人の条件だけでなく、実際の仕事内容と将来身につくスキルまで比較することが、納得できるエンジニア転職につながります。
<参考サイト>厚生労働省 職業情報提供サイト job tag / 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) / 経済産業省 / 愛知労働局 / レバテックキャリア / Geekly / マイナビ転職ITエージェント / paiza転職 / リクルートエージェント / TECH CAMP / AWS





