マンションや一戸建て、土地を売却するときは、最初に不動産査定を受けて価格の目安を確認します。ただし、査定額は実際に売れる価格を保証するものではなく、査定方法や依頼する不動産会社によって結果が異なることもあります。この記事では、不動産査定の仕組み、無料・匿名・AI査定の違い、机上査定と訪問査定の流れ、おすすめの不動産査定サービスの比較、査定書の見方や注意点までわかりやすく解説します。
この記事の目次
- 不動産査定の意味と査定額の考え方
- 無料査定・匿名査定・AI査定の違い
- おすすめの不動産査定サービス6選
- 机上査定と訪問査定の違い
- 査定依頼から結果が出るまでの流れ
- 不動産査定に必要な書類
- 不動産査定書の見方とひな形
- 査定額と売り出し価格の違い
- 不動産査定で注意したいポイント
不動産査定とは、売却できそうな価格を算出すること
不動産査定とは、不動産会社が物件の所在地、面積、築年数、状態、周辺の取引事例などを確認し、市場で売却できると考えられる価格を算出することです。
売却を正式に決めていない段階でも、住み替えの資金計画を立てたい場合や、相続した不動産の価値を把握したい場合などに利用できます。
不動産の査定額とは
不動産の査定額とは、過去の成約事例や現在の市場動向、物件の個別条件をもとに、不動産会社が予測した売却価格です。
査定額は、不動産会社がその金額で購入することや、必ずその金額で売却できることを保証するものではありません。実際の成約価格は、売り出す時期、競合物件の数、買主からの価格交渉などによって変わります。
不動産会社によって査定額が異なる理由
不動産会社ごとに査定で使用する取引事例、得意とする地域、販売戦略、想定する売却期間が異なるため、同じ物件でも査定額に差が出ることがあります。
例えば、早期売却を重視する会社は現実的な価格を提示し、時間をかけて高値での売却を目指す会社は高めの査定額を提示する場合があります。
査定額の高さだけで判断するのではなく、「なぜこの価格になったのか」「どのような販売方法を予定しているのか」まで確認することが重要です。
不動産査定と不動産鑑定は異なる
不動産会社が売却の参考として行う「査定」と、不動産鑑定士が行う「鑑定評価」は、目的や費用、作成される書類が異なります。
不動産会社による査定
- 売却価格の目安を確認するために行う
- 一般的な売却査定は無料で利用できる
- 査定書の形式は不動産会社によって異なる
- 査定後に売却を依頼する義務はない
- 査定額での成約を保証するものではない
不動産鑑定士による鑑定評価
- 不動産の経済価値を専門的に判定する
- 国家資格を持つ不動産鑑定士が行う
- 相続、裁判、担保評価、法人間取引などにも利用される
- 調査や鑑定評価書の作成には通常費用がかかる
国土交通省では、不動産の鑑定評価を「不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること」としています。不動産鑑定業者の業務として鑑定評価を行えるのは、不動産鑑定士に限られます。
「不動産査定士」という国家資格はない
不動産会社の売却査定を担当するためだけの「不動産査定士」という国家資格はありません。不動産会社の担当者が査定書を作成する際に、不動産鑑定士の資格が必須というわけでもありません。
一方、報酬を受け取って正式な不動産鑑定評価を行う場合には、不動産鑑定士と不動産鑑定業者の制度が関係します。査定書を何に使用するのかを整理し、売却価格の参考で足りるのか、正式な鑑定評価書が必要なのかを確認しましょう。
不動産の無料査定はなぜ費用がかからない?
売却を目的とした不動産会社の査定は、原則として無料で提供されています。不動産会社は査定そのものではなく、売買契約が成立した場合の仲介手数料を主な収益としているためです。
不動産査定だけでも依頼できる
査定を受けたからといって、その不動産会社へ売却を依頼する必要はありません。売却するかどうかを検討するために、価格だけを確認することも可能です。
ただし、査定後は不動産会社から売却予定や訪問査定の希望について連絡が入る場合があります。売却時期が未定であれば、申し込み時に「まずは価格だけ知りたい」と伝えておくと意思疎通がしやすくなります。
費用がかかる可能性がある調査
通常の売却査定は無料でも、次のような調査や手続きは別途費用がかかる場合があります。
- 不動産鑑定士による正式な鑑定評価
- 土地の測量や境界確定
- 建物状況調査や耐震診断
- 登記事項証明書などの書類取得
- 相続登記や住所変更登記
査定以外の調査を依頼する際は、実施内容と費用負担を事前に確認してください。
匿名査定・AI査定・一括査定の違い
インターネット上の不動産査定には、匿名査定、AI査定、一括査定など複数の形式があります。それぞれ査定結果の出し方や、不動産会社から連絡が来るかどうかが異なります。
匿名査定
匿名査定は、氏名や電話番号を不動産会社へ伝えずに、物件の概算価格を確認できるサービスです。不動産会社から電話を受ける前に、おおよその相場だけを把握したい場合に利用しやすい方法です。
ただし、所在地や物件情報をある程度入力する必要があります。また、室内の状態、土地の境界、眺望、騒音などを確認できないため、結果は概算価格として扱う必要があります。
AI査定
AI査定は、所在地、面積、築年数、間取りなどの物件情報と、不動産の取引データなどを照合し、システムが自動的に推定価格を算出する仕組みです。
短時間で結果を確認できる一方、リフォームの状態、建物の劣化、日当たり、越境、接道状況など、現地でなければ判断しにくい情報は十分に反映されないことがあります。
不動産一括査定
不動産一括査定は、一度の入力で複数の不動産会社へ査定を依頼できるサービスです。査定サイト自体が価格を算出するのではなく、物件情報を受け取った提携不動産会社が査定する形式が一般的です。
複数社の価格や提案を比較しやすい反面、依頼した会社からそれぞれ連絡が入ります。依頼先を選択できる場合は、対応できる範囲に絞って申し込むとよいでしょう。
無料査定サービスは数多くありますが、匿名で価格だけ知りたい場合と、実際に売却を進めたい場合では、選ぶべきサービスが異なります。用途別の比較は次のページで詳しく紹介します。




