看護師転職の流れと必要な手続き
看護師の転職活動は、希望条件の整理から始まり、求人比較、応募、面接、内定、退職、入職という順序で進みます。現在の職場を先に辞めると収入が途切れる可能性があるため、特別な事情がなければ在職中に準備を始める方法があります。
1.転職で改善したいことを整理する
最初に、現在の職場で困っていることと、次の職場に求める条件を書き出します。希望条件は次の3段階に分けると整理しやすくなります。
- 必須条件:夜勤なし、通勤45分以内、日曜日休みなど
- 希望条件:年収、診療科、年間休日、教育体制など
- 相談できる条件:入職日、勤務曜日、オンコール回数など
2.求人を比較して職場情報を確認する
求人票では、給与、勤務時間、休日、業務内容、雇用形態を確認します。転職エージェントを利用する場合は、配属予定部署、夜勤人数、看護方式、電子カルテ、教育担当者、離職状況なども質問しましょう。
3.履歴書と職務経歴書を作成する
履歴書には資格、学歴、職歴、志望動機などを記載します。職務経歴書では、勤務先の概要、配属部署、経験した業務、役割、取得資格、研修実績などを具体的にまとめます。
看護師免許証の原本提出を求められた場合は、提出先と返却時期を確認してください。一般的には、採用手続きでは原本確認と写しの提出が行われます。
4.応募・面接を受ける
面接では、退職理由、志望動機、看護観、経験した業務、夜勤への対応、入職可能日などを質問されることがあります。回答を丸暗記するのではなく、自分の経験と応募先の特徴を結び付けて説明できるようにします。
5.内定後に労働条件を確認する
内定を受けたら、口頭説明だけでなく、書面で次の条件を確認します。
- 雇用形態と契約期間
- 配属先と業務内容
- 基本給と各種手当
- 勤務時間と休憩時間
- 夜勤回数やオンコール
- 休日と休暇
- 試用期間中の条件
- 退職に関する事項
6.現在の職場へ退職を申し出る
退職申出の期限は、就業規則や雇用契約を確認します。民法上の規定だけで判断せず、引き継ぎや勤務表の調整に必要な期間も考慮しましょう。
健康保険、年金、雇用保険、住民税などの手続きは、退職日と次の入職日が連続するかどうかによって異なります。空白期間がある場合は、健康保険や年金の切り替え手続きが必要になることがあります。
看護師の履歴書・志望動機の書き方
志望動機は、応募先を選んだ理由、自分の経験、入職後に貢献できることの順で組み立てると伝わりやすくなります。どの医療機関にも使える抽象的な文章ではなく、応募先の診療方針や業務内容に合わせましょう。
病院へ転職する場合の志望動機例
「これまで急性期病棟で、術後患者の観察や退院支援に携わってきました。患者様が退院後の生活を見据えて回復できるよう支援する看護に関心を持ち、リハビリテーションと多職種連携に力を入れている貴院を志望しました。これまでに身に付けた状態観察と家族対応の経験を活かし、患者様一人ひとりの生活目標に沿った看護に取り組みたいと考えています。」
クリニックへ転職する場合の志望動機例
「病棟勤務では、糖尿病患者様への療養指導や退院後の生活に関する説明を担当してきました。今後は、継続的に患者様と関わり、重症化予防を支える外来看護に携わりたいと考えています。生活習慣病の診療と患者教育に力を入れている貴院で、これまでの説明・指導経験を活かしたいと考え志望しました。」
美容系クリニックへ転職する場合の志望動機例
「病棟勤務を通じて、不安を抱える患者様の話を丁寧に伺い、わかりやすく説明することを大切にしてきました。美容医療では、安全な施術の提供に加え、患者様の希望を正確に把握することが重要だと考えています。接遇と美容医療に関する知識を継続的に学び、安心して相談していただける看護師を目指したいと考えています。」
看護師転職の面接でよく聞かれる質問
面接では、前職の批判にならないよう注意しながら、転職理由と志望動機に一貫性を持たせることが重要です。
転職理由を聞かれた場合
回答例:「現在の職場では急性期看護の基礎を学び、術後管理や緊急入院への対応を経験しました。その中で、退院後の生活まで継続して支える看護に関心を持つようになりました。今後は訪問看護の分野で経験を積みたいと考え、転職を希望しています。」
「人間関係が悪かった」「給与が低かった」といった不満だけで終わらせず、経験したことと今後の目標につなげます。
転職回数を聞かれた場合
回答例:「これまで家庭環境の変化と転居に伴い、複数の医療機関を経験しました。それぞれの職場で急性期、慢性期、外来看護を経験し、患者様の状態に応じた対応力を身に付けました。今後は生活基盤も整ったため、これまでの経験を活かしながら長期的に勤務したいと考えています。」
転職回数を隠すのではなく、退職理由を簡潔に説明し、各職場で得た経験と今後の定着意思を伝えましょう。
看護観を聞かれた場合
抽象的に「患者様に寄り添う」と答えるだけではなく、実際の看護経験を添えます。患者の不安を軽減するために行った説明、家族との関わり、多職種と連携した経験などを一つ選び、具体的に話すと伝わりやすくなります。
看護師が転職で年収アップを目指す方法
年収アップを目指す場合は、基本給だけでなく、年間の総支給額と勤務負担を比較します。夜勤回数を増やせば収入が増えることがありますが、体調や生活との両立も考える必要があります。
経験を評価する職場を選ぶ
手術室、救急、集中治療、透析、内視鏡、訪問看護など、経験者を求める求人では、経験年数やスキルが給与に反映される場合があります。求人票の給与範囲だけでなく、経験加算の基準を確認しましょう。
役職や資格手当を確認する
主任、師長などの管理職候補や、認定看護師、専門看護師、特定行為研修修了者などを対象とした手当がある職場もあります。ただし、資格を取得すれば必ず給与が上がるわけではないため、勤務先の制度を確認する必要があります。
給与が高い理由を確認する
相場より給与が高い求人には、夜勤回数が多い、人員確保が難しい地域、オンコール対応がある、業務範囲が広いなどの理由がある場合があります。高給与という情報だけで判断せず、勤務条件と負担のバランスを確認しましょう。
40代・50代の看護師転職で重視されること
40代・50代であっても、経験を活かせる求人はあります。年齢だけで判断するのではなく、健康状態、勤務できる時間、経験分野、希望する役割を整理することが大切です。
40代は経験と柔軟性を伝える
40代では、臨床経験、リーダー経験、プリセプター経験、家族対応、多職種連携などが評価材料になります。一方で、新しい電子カルテや業務手順を学ぶ姿勢も求められます。
過去のやり方に固執せず、転職先の方針に合わせて学べることを面接で伝えましょう。
50代は勤務条件を現実的に設定する
50代では、夜勤回数、体力、通勤時間、定年年齢、再雇用制度を確認します。病棟経験を活かし、外来、介護施設、訪問看護、健診、教育担当などへ移る選択肢もあります。
管理職経験がある場合でも、転職先で必ず同じ役職に就けるとは限りません。役職を希望するのか、現場業務を希望するのかを明確にしておきましょう。
看護師から他職種へ転職する場合の考え方
看護師資格を活かせる仕事には、医療機関以外にも多くの選択肢があります。ただし、看護師としての臨床経験がそのまま給与に反映されるとは限りません。
看護師資格を活かしやすい仕事
- 治験コーディネーター
- 医療機器メーカーのクリニカルスペシャリスト
- 医療系コールセンター
- 保険会社の医療査定・相談業務
- 学校や保育施設の看護師
- 企業の健康管理部門
- 看護学校や研修施設の教員・指導担当
資格を直接使わない仕事
一般事務、営業、接客、IT関連などへ転職することも可能ですが、未経験職種としての採用になる場合があります。看護師経験で身に付けたコミュニケーション能力、状況判断、記録作成、チーム連携などを、応募職種でどのように活かせるか説明しましょう。
転職先を決める前の最終チェック
内定後は、転職サイトや担当者からの説明だけでなく、自分で雇用条件を確認します。疑問点を残したまま入職すると、勤務開始後のミスマッチにつながる可能性があります。
- 配属部署は確定しているか
- 基本給と手当の内訳が書面に記載されているか
- 夜勤やオンコールの回数は想定と合っているか
- 試用期間中に給与や雇用形態が変わらないか
- 休日数と固定休、希望休のルールを確認したか
- 残業、研修、委員会活動の扱いを確認したか
- 入職日と現在の職場の退職日を調整できているか
看護師転職でおすすめのサービスは、希望地域、働き方、施設形態によって異なります。ランキングの順位だけで決めるのではなく、2社程度で求人内容と担当者の説明を比較し、労働条件を書面で確認してから転職先を選びましょう。
<参考サイト>厚生労働省/e-Stat 政府統計の総合窓口/人材サービス総合サイト/日本看護協会/中央ナースセンター/看護roo!転職/レバウェル看護/マイナビ看護師/ナース専科 転職/ナースパワー/MC-ナースネット/ナースキャスト




