請求書電子化とは?義務化の範囲・メリット・費用・おすすめサービスを徹底比較

請求書電子化におすすめのサービスを比較

請求書電子化サービスは、主に「請求書の発行に強いサービス」「受取請求書の処理に強いサービス」「発行と受領の両方に対応するサービス」に分けられます。知名度だけで選ぶのではなく、解決したい業務に合っているかを確認しましょう。

以下は、2026年7月31日時点の各公式サイトに掲載されている情報を基に整理した比較です。料金や機能は変更される場合があるため、契約時には最新の料金表と利用条件を確認してください。

サービス名 主な用途 特徴 料金の目安 向いている企業
freee請求書 請求書の作成・発行 見積書、納品書、請求書、発注書、領収書を作成可能。定期請求、一括発行、債権管理などをプランに応じて利用できる 無料プランあり。スタンダードは基本料金月額1,980円に、一括発行・送信料金月額4,750円からを加算。年払い換算、税抜 個人事業主、小規模法人、freeeシリーズを利用している企業
マネーフォワード クラウド請求書 請求書の作成・発行、会計連携 見積書、納品書、請求書、領収書の作成・送付に対応。会計、経費、債務支払などのサービスと連携しやすい 初期費用0円。年払いは月額2,480円から、月払いは月額3,980円から。税抜 請求書だけでなく会計・経費業務もまとめて管理したい企業
invox発行請求書 請求書の作成・送付・入金消込 メール、郵送、FAX、SMSなど複数の送付方法に対応。取引先に合わせた送付方法を併用しやすい 毎月15件までのフリープランあり。ミニマムは月額1,980円+発行1件50円、ベーシックは月額9,800円+従量料金。税抜 電子送付と紙の郵送を併用しながら移行したい企業
楽楽明細 請求書・納品書などの大量発行 CSVやPDFを取り込み、請求書、納品書、支払明細書、領収書などを一括発行。Web、メール、郵送、FAXに対応 初期費用100,000円、月額25,000円から。税抜 毎月多くの帳票を発行する中堅企業、基幹システムと連携したい企業
Bill One 受取請求書の一元管理 紙、PDF、メールなど異なる方法で届く請求書を集約し、データ化や承認、会計処理につなげられる 利用規模や受領件数などに応じた個別見積もり 複数拠点・複数部門で請求書を受け取る企業
BtoBプラットフォーム 請求書 企業間の請求書発行・受取 企業同士がプラットフォーム上で請求データを直接やり取りでき、発行側と受取側の業務を連携しやすい 契約内容に応じて要問い合わせ 取引先数が多く、請求書の発行・受領をまとめて電子化したい企業

目的別に見る請求書電子化サービスの選び方

おすすめのサービスは、請求書を月に何件扱うか、発行と受領のどちらを効率化したいか、既存システムと連携するかによって変わります。

少ない費用で請求書を電子発行したい

個人事業主や小規模法人で発行件数が少ない場合は、freee請求書やinvox発行請求書などの無料プランから試す方法があります。

ただし、無料プランでは一括発行、利用人数、定期作成、入金消込、レイアウト変更などに制限がある場合があります。現在必要な機能だけでなく、取引先や発行件数が増えた場合の料金も確認しましょう。

会計ソフトと連携したい

請求内容を会計仕訳へ反映したい場合は、現在利用している会計ソフトとの連携を優先します。同じシリーズで統一すると設定しやすい一方、他社の会計システムでもCSVやAPIを利用して連携できるケースがあります。

連携できるという説明だけでなく、取引先、部門、勘定科目、税区分、摘要など、必要な項目を正しく受け渡せるかを確認することが重要です。

紙の請求書も残る予定がある

すべての取引先がすぐに電子請求書へ移行できるとは限りません。メール送付に加えて、郵送代行やFAX送信にも対応したシステムであれば、送付方法を取引先ごとに設定できます。

自社で紙の請求書を印刷・封入する作業を減らしながら、取引先には従来どおり紙で届けることも可能です。

受取請求書の支払処理を効率化したい

支払請求書の電子化では、請求書を保存する機能だけでなく、AI-OCR、承認ワークフロー、支払期限管理、仕訳作成、振込データ作成、会計ソフト連携などを確認します。

請求書の入力時間を減らしても、承認や振込作業が従来どおり手作業のままでは、経理業務全体の効率化につながりにくいためです。

請求書電子化にかかる費用

請求書電子化の費用は、月額基本料金だけでは判断できません。初期設定や従量料金を含めた総額で比較する必要があります。

初期費用

初期費用0円で始められるクラウドサービスがある一方、専任担当者による設定支援や帳票レイアウトの作成を含め、10万円以上の初期費用が設定されているサービスもあります。

基幹システムとの個別連携や独自レイアウトの開発が必要な場合は、別途費用が発生する可能性があります。

月額基本料金

小規模事業者向けサービスでは無料または月額数千円から、中堅企業向けの一括発行・受領システムでは月額数万円からが目安です。

利用人数、部門数、保管容量、承認経路、API利用などによって上位プランが必要になることもあります。

従量料金

請求書1件ごとの発行料、OCR処理料、郵送代行料、FAX送信料、SMS送信料などが設定される場合があります。月額料金が安くても、請求書の件数が多ければ従量料金が大きくなる可能性があります。

見落としやすい運用費用

  • 取引先情報の整理や登録にかかる作業時間
  • 従業員への操作説明やマニュアル作成
  • 取引先への案内状の作成・送付
  • 紙と電子を併用する期間の郵送費
  • 会計ソフトや基幹システムとの連携費用
  • 契約終了時のデータ出力費用

料金比較では、現在の請求書件数を基に「月額基本料金+従量料金+郵送費+オプション料金」を試算すると判断しやすくなります。

請求書電子化で確認したいセキュリティ

請求書には、取引内容、金額、担当者名、住所、振込口座などの重要情報が含まれます。クラウドサービスを選ぶときは、利便性だけでなく、情報管理の仕組みを確認しましょう。

アクセス権限を細かく設定できるか

すべての従業員が全請求書を閲覧できる状態は避け、担当部門、役職、業務内容に応じて閲覧・編集・承認権限を分けることが重要です。退職者や異動者のアカウントを速やかに停止できる運用も必要です。

多要素認証に対応しているか

IDとパスワードだけでなく、スマートフォンの認証アプリやワンタイムパスワードなどを組み合わせる多要素認証は、不正ログイン対策として有効です。管理者アカウントや経理担当者には、可能な限り多要素認証を設定しましょう。

操作ログや訂正履歴を確認できるか

誰が、いつ、どの請求書を閲覧・編集・承認したかを確認できる操作ログは、不正操作や誤操作への備えになります。電子帳簿保存法への対応では、データの訂正・削除履歴を確認できる機能や、訂正・削除を行わない運用規程も重要です。

データの出力とバックアップができるか

サービス障害や契約終了に備え、請求書データと検索情報を自社で出力できるか確認します。保存期間中にサービスを変更する場合、過去データをどのように引き継ぐかも重要な比較項目です。

第三者認証は選定材料のひとつ

ISMSなどの情報セキュリティ認証や、JIIMAの電子取引・スキャナ保存に関する認証は、サービス選びの参考になります。ただし、認証を取得しているだけで、利用企業側の法令対応や安全管理がすべて完了するわけではありません。

次のページでは、導入を失敗しにくくする具体的な手順と、取引先へ送れる電子化の案内文を紹介します。