「最強クレカ」とクレカ修行を正しく考える

高還元率や豪華な特典があるカードでも、条件を満たせなければ十分なメリットを得られません。年間利用額と普段の支出を基準に、無理なく使えるカードを選びましょう。

最強クレカは利用場所によって変わる

コンビニで強いカード、Amazonで強いカード、海外で使いやすいカード、携帯電話料金で特典を受けやすいカードはそれぞれ異なります。

例えば、基本還元率1%のカードで年間60万円を利用すると、単純計算では年間6,000円相当です。一方、基本還元率0.5%でも、利用額の大部分が高還元対象店舗に該当するカードなら、獲得ポイントが多くなることがあります。

比較するときは「最大還元率」だけでなく、次の式で年間の獲得見込みを計算すると実態に近づきます。

年間獲得ポイントの目安=通常利用額×基本還元率+対象店舗の利用額×上乗せ還元率-年会費

クレカ修行は年間利用特典の条件達成を目指すこと

クレカ修行とは、主に年間利用額の条件を達成し、年会費優遇やボーナスポイントなどを受けることを指す俗称です。

代表例として、三井住友カード ゴールド(NL)は、年間100万円の対象利用を達成すると、翌年以降の年会費が永年無料になり、毎年の条件達成で1万ポイントの継続特典を受けられると案内されています。

ただし、すべての支払いが年間利用額に含まれるとは限りません。カードの年会費、手数料、電子マネーチャージ、投資信託の積立、税金などは、カードや時期によって集計対象外になることがあります。

条件達成のためだけに不要な商品を購入すると、受け取るポイントより支出が大きくなります。家賃、光熱費、通信費、食費など、もともと発生する支払いだけで達成できるかを先に計算しましょう。

サブクレカはメインカードの弱点を補う

サブカードは、メインカードと同じ特徴のカードではなく、役割を分けると活用しやすくなります。

  • メインがVisaなら、サブはMastercardまたはJCB
  • メインが基本還元型なら、サブは特定店舗の高還元型
  • メインとサブでカード発行会社を分ける
  • 利用頻度が低いサブカードは年会費無料を選ぶ
  • 海外旅行では利用限度額と緊急連絡先を分ける

カード枚数が増えるほど、不正利用の発見や有効期限の管理が難しくなります。年に一度も使わないカードは、付帯サービスや継続特典を確認したうえで整理する方法もあります。

「審査がゆるいクレカ」は断定できない

クレジットカードは後払いの契約であるため、申込み時には審査があります。審査基準はカード会社ごとに異なり、一般には公開されていません。

審査なしのクレジットカードは基本的にない

「審査なし」「ブラックでも必ず作れる」「誰でも通る」などと断定する情報には注意が必要です。クレジットカード会社は、申込内容や信用情報などをもとに独自の基準で審査を行います。

審査に不安がある場合でも、年収や勤務年数を実際より多く記載してはいけません。申込内容の誤りや虚偽は、確認に時間がかかったり、審査結果に影響したりする可能性があります。

短期間に何枚も申し込まない

CICには、クレジットカードやローンへ申し込んだ際の照会情報が、照会日から6か月間登録されます。複数枚が必要な場合でも、管理できる枚数を考え、必要性の高いカードから申し込みましょう。

過去の契約内容や支払い状況が気になる場合は、信用情報機関の本人開示制度を利用して、自分の登録情報を確認できます。ただし、信用情報機関はカード会社の審査結果や否決理由を決める機関ではありません。

クレカが難しい場合はデビットやプリペイドも選択肢

クレジットカード以外にも、銀行口座から原則即時に引き落とされるデビットカードや、事前に入金した金額の範囲で使うプリペイドカードがあります。

後払いを避けたい場合や、使い過ぎを防ぎたい場合は、デビットカードやプリペイドカードのほうが目的に合う可能性があります。ただし、ホテルやレンタカー、継続課金など、一部のサービスでは利用できない場合があります。

クレカのショッピング枠を現金化してはいけない

「クレカ換金」「ショッピング枠現金化」とは、換金性の高い商品をカードで購入して売却したり、現金化業者から実質的に現金を受け取ったりする行為を指します。

日本クレジット協会は、換金目的でショッピング枠を利用する行為について、カード会員規約に違反すると注意喚起しています。消費者庁も、現金化によって債務が増え、多重債務や個人情報の悪用といったトラブルにつながる可能性を示しています。

カード会社から利用停止や強制解約を受ける可能性があるほか、購入代金の支払い義務は残ります。「換金率が高い」「即日で現金を受け取れる」といった表示だけで利用しないようにしましょう。

生活費やカード代金の支払いが難しい場合は、新たな借入れや現金化で補うのではなく、カード会社の相談窓口、自治体の相談窓口、法テラスなどへ早めに相談することが重要です。

クレカを安全に利用するためのチェックリスト

クレジットカードは便利な一方、支払いは後日行われます。ポイントを貯めることよりも、利用額を確実に支払えることを優先しましょう。

  • 年会費とポイント条件を公式サイトで確認した
  • ポイントを使う予定の店舗やサービスがある
  • 高還元の対象店舗と決済方法を確認した
  • リボ払いではなく1回払いを基本にしている
  • 利用通知と本人認証サービスを設定した
  • 毎月の利用明細を確認している
  • 海外旅行保険の適用条件を確認した
  • 利用可能額を「使ってよい金額」と考えていない
  • サブカードを含めて支払日を管理できる
  • 身に覚えのない請求はすぐカード会社へ連絡する

初めての1枚には、年会費永年無料で、利用通知やアプリによる明細確認ができるカードが向いています。還元率を重視する場合は、最大値ではなく、自分が実際に利用する店舗での年間獲得額を比較しましょう。

学生や20代・30代は、将来の生活変化にも対応できるカードを選ぶことがポイントです。Amazon、コンビニ、海外旅行など利用目的が明確な場合は、その分野に強いカードを選び、必要に応じて異なる国際ブランドのサブカードを組み合わせると使いやすくなります。

<参考サイト>消費者庁 / 一般社団法人日本クレジット協会 / 指定信用情報機関CIC / JCB / 三井住友カード / 楽天カード / Amazon.co.jp / ライフカード / Visa / Mastercard