賃上げETF メリット デメリット|投資前に知っておきたいこと
賃上げETFの主なメリット
- 人材・設備投資というテーマに分散投資できる:個別企業を1社ずつ選ばなくても、一定の基準を満たした複数企業へまとめて投資できます。
- 銘柄選定ルールが明確:指数連動型では、人材投資や設備投資などについてあらかじめ決められた指数ルールに沿って銘柄が選定されます。
- 株式と同様に取引時間中に売買できる:一般的な非上場投資信託とは異なり、市場価格を見ながら指値・成行注文などを利用できます。
- 日本企業の人的資本投資という長期テーマへ投資できる:人手不足や生産性向上への対応など、日本企業にとって重要度の高い分野を投資テーマにできます。
賃上げETFの主なデメリット
- 賃上げ=株価上昇ではない:給与負担の増加が利益を圧迫する場合もあり、賃上げそのものが株価上昇を保証するわけではありません。
- TOPIXなどとは構成が異なる:特定の選定条件を設けるため、市場全体と異なる値動きになる可能性があります。
- 分配金利回りが特別高いとは限らない:高配当を最優先とした指数ではありません。
- ETFごとに流動性が大きく異なる:売買が少ない商品では、基準価額やiNAVから市場価格が乖離する可能性があります。
- 信託報酬などのコストがかかる:ETFを保有している間は運用管理費用などが差し引かれます。
- 指数ルールが将来も同じとは限らない:指数提供会社によって算出方法や選定基準が見直される場合があります。
賃上げ促進税制 影響|2026年は制度変更にも注意
賃上げETFを考えるうえで、「賃上げ促進税制 影響」も気になるポイントでしょう。賃上げ促進税制は、一定の要件を満たして給与等の支給額を増加させた企業などに対し、法人税等の税額控除を認める仕組みです。
ただし、2026年度税制改正では制度が見直されています。経済産業省・財務省の公表資料では、全企業向け措置は2025年度末で終了し、中堅企業向け措置では賃上げ基準が見直されました。また、教育訓練費に関する上乗せ措置も廃止されています。
一方、中小企業向けの制度については、2026年4月1日から2027年3月31日までの間に開始する各事業年度を対象とする制度が案内されています。
税制があるから賃上げETFが上がる、とは言えない
賃上げ促進税制は企業の賃上げを後押しする要素の一つになり得ますが、ETFの構成銘柄になる条件と、税制の適用を受ける条件は同じではありません。
また、株価は企業利益、金利、景気、為替、投資家の期待など多くの要因で決まります。そのため「賃上げ促進税制があるから賃上げETFは値上がりする」という単純な関係は成立しません。
賃上げ企業 投資信託とETFはどう違う?
賃上げ企業 投資信託というテーマでは、ETFだけでなく人的資本、ESG、人材活用、企業価値向上などを重視する非上場の投資信託も選択肢になります。ただし、名称に「人的資本」などが入っているだけで投資方針が同じとは限りません。
ETFと一般的な投資信託の大きな違いは売買方法です。ETFは証券取引所でリアルタイムに売買するのに対し、一般的な投資信託は通常、1日1回計算される基準価額によって購入・換金します。
どちらを検討する場合でも、商品名だけで判断せず、投資方針、組入銘柄、信託報酬、純資産総額、運用実績、リスクを目論見書などで確認することが基本です。
ベアetfとは?賃上げETFとはまったく別の商品
ベアetfは、株価指数などの「日々の値動き」と逆方向への連動を目指すインバース型ETFを指す場合があります。例えば原指数が1日に下落すると、その日のベア型指数は一定の倍率で上昇するよう設計されます。
ただし「長期間で株価指数が20%下がれば、ベアETFが必ず20%上がる」という仕組みではありません。インバース型指数は日々の変動率を基準に計算されるため、2営業日以上では複利効果によって原指数と単純な逆比例にならない場合があります。
特に上昇と下落を繰り返す相場では指数が逓減しやすい特性があるため、通常の日本株ETFと同じ感覚で中長期保有することには注意が必要です。
「etf 値上がり ランキング」だけで決めると危険な理由
etf 値上がり ランキングは、直近でどのテーマに資金が集まっているかを見る参考にはなります。しかし、ランキング上位という理由だけでETFを選ぶことは適切とはいえません。
特に確認したいのは、ランキングが「1日」「1カ月」「1年」のどの期間を比較しているのか、分配金を含むリターンなのか、市場価格と基準価額のどちらで計算しているのかという点です。
例えば1479については、2026年8月27日時点で運用会社が公表する基準価額ベースの1年間騰落率はプラス46.38%でした。しかし、これはあくまで過去の実績であり、その後も同じペースで上昇することを意味しません。
ETFを比較するときの7つのチェック項目
- 1.何の指数に連動するのか
- 2.etf 組み入れ銘柄と上位銘柄の比率
- 3.信託報酬・総経費率
- 4.純資産総額と売買高
- 5.市場価格とETF 基準価額・iNAVの乖離
- 6.過去の分配金と分配金利回り
- 7.長期成績だけでなく値動きの大きさや下落局面
賃上げETFを比較するなら「賃上げ」という名前より中身を見る
賃上げETFとは、単純に賃金を上げた企業だけを集めた金融商品ではありません。人的資本、設備投資、研究開発、収益性などを評価する指数に連動する日本株ETFの通称として理解するのが適切です。
2026年現在、1479、1480、1481、1483、1484、1485など、人材・設備投資をテーマにした複数のETFが東証に上場しています。ただし、それぞれ指数の作り方は異なり、構成銘柄、分配金利回り、コスト、純資産総額、売買のしやすさにも違いがあります。
さらに、日銀によるETFの新規買入れは2024年3月に終了しており、2025年には保有ETFの売却方針も決定されています。過去の「日銀が買う賃上げETF」というイメージだけで判断するのではなく、2026年現在の制度や市場環境を踏まえることが重要です。
とくにETFでは市場価格と基準価額が必ず一致するわけではありません。購入を検討する際は、構成銘柄や配当・分配金だけでなく、iNAV、売買高、スプレッド、乖離率なども確認すると商品の実態をつかみやすくなります。
本記事はETFや制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。ETFは価格変動等により投資元本を下回る可能性があります。実際の取引では最新の目論見書・運用会社の開示資料等を確認し、ご自身の判断で検討してください。
<参考サイト> 日本銀行 / 日本取引所グループ / 経済産業省 / 財務省 / 中小企業庁 / 国税庁 / S&P Dow Jones Indices / 大和アセットマネジメント / 野村アセットマネジメント(NEXT FUNDS) / アモーヴァ・アセットマネジメント / ブラックロック・ジャパン / アセットマネジメントOne / 三菱UFJアセットマネジメント





