賃上げETFとは?2026年の日本株銘柄・構成銘柄・配当利回り・メリットとデメリットを徹底解説

賃上げETF 構成銘柄はどう決まる?代表的な指数を比較

JPX/S&P 設備・人材投資指数の場合

1481、1483、1484が連動対象としているJPX/S&P 設備・人材投資指数は、設備投資や研究開発、人材への投資などを評価して企業を選びます。

S&P Dow Jones Indicesの2026年の公表情報では、同指数はTOPIX構成銘柄を母集団とし、流動性、信用力、収益性などの条件を満たした企業について、設備投資・研究開発の成長性や効率性、人的資本などを評価します。原則として200社を選ぶ設計で、2026年7月31日時点の実際の構成銘柄数は198社でした。

同日時点の主要構成銘柄には、リクルートホールディングス、伊藤忠商事、SOMPOホールディングス、日本たばこ産業、本田技研工業、NTT、武田薬品工業、KDDI、NEC、パナソニック ホールディングスなどが含まれていました。

ETF 組み入れ銘柄は固定ではありません。指数の定期見直しや企業の状況変化により入れ替わるため、最新情報は運用会社の月次レポートやPCFで確認する必要があります。

1479は人的資本をより直接的に評価

1479の「iFreeETF MSCI日本株人材設備投資指数」は、MSCI日本株人材設備投資指数への連動を目指します。設備投資だけではなく、福利厚生、研修制度、インセンティブ報酬などの人的資本に関する施策も評価要素となっています。

2026年8月27日時点で公表された同ETFの基準価額は10口当たり554,161円、純資産総額は約1,089億円でした。売買単位は1口です。ただし基準価額の表示口数と実際の売買単位は同じとは限らないため、購入金額を確認するときは注意しましょう。

1480は利益・配当・人件費・設備投資などを総合評価

1480の野村企業価値分配指数は、国内上場株式から利益、配当、人件費、設備投資、研究開発費などを基に企業を選定します。単純な給与上昇率ランキングではなく、企業が生み出した価値を株主だけではなく設備や人材などへどう配分しているかという考え方が特徴です。

2026年8月27日時点の取引所終値は40,260円、8月26日時点の基準価額は40,456円、純資産総額は166.0億円と公表されています。これらの数値は日々変動します。

賃上げETF 配当利回りは高い?「配当」と「分配金」を混同しない

賃上げETF 配当利回りを比較するときには、用語に注意が必要です。ETFから投資者へ支払われるものは一般に分配金です。一方、ETFが保有する企業からETFへ支払われるのが株式の配当です。

運用会社のサイトで表示される「分配金利回り」は、多くの場合、過去1年間に支払われた税引前分配金を一定時点の基準価額などで割った過去実績です。将来も同じ分配金が支払われることを保証する数字ではありません。

2026年8月時点で確認できる公表例では、1479の分配金利回りは1.56%、1480は1.57%、1483は過去12カ月分配金利回り約1.91%とされています。算出日や計算方法が異なるため、単純な横並び比較には注意してください。

1479では2026年1月に1口380円、7月に457円の分配実績があります。1480では2025年10月に307円、2026年4月に330円の分配実績が公表されています。いずれも過去の実績であり、今後の金額は確定していません。

高配当ETFと賃上げETFは目的が違う

賃上げETFは「高い分配利回り」を最優先に企業を選ぶETFではありません。人材や設備に利益を再投資する企業は、配当に回す割合が必ずしも高いとは限りません。

したがって、高いインカム収入を主目的にする場合は、賃上げETFだけではなく、高配当株指数に連動するETFなどとの違いも確認する必要があります。

ETF 基準価額とは?市場価格とは別物

ETF 基準価額とは、ETFが保有する株式などの資産から負債を差し引いた純資産を、受益権口数に応じて計算した値です。通常、1日1回公表されます。

一方、実際に証券取引所でETFを買ったり売ったりするときに使われるのは市場価格です。市場価格は取引時間中にリアルタイムで変化します。

さらに東証では、多くのETFについてインディカティブNAV(iNAV)が提供されています。これは保有資産の現在値をもとに計算する取引時間中の推定純資産価値で、原則15秒ごとに更新されます。

  • 基準価額:原則1日1回計算されるETFの純資産価値
  • iNAV:取引時間中の推定純資産価値
  • 市場価格:実際に取引所で売買されている価格

2026年は「基準価額との乖離」にも注意

ETFでは通常、裁定取引などによって市場価格と純資産価値が大きく離れにくい仕組みがあります。しかし、取引量が少ない場合などには大きな乖離が生じることがあります。

実際に1485では2026年に、管理会社が「基準価額と市場価格の重要な乖離」を複数回公表しました。2026年5月26日付の公表資料では、取引量が少ないため市場価格と基準価額との裁定が効きづらいことが乖離継続の背景として説明されています。また1479でも2026年8月13日に重要な乖離に関するお知らせが公表されています。

このためETFを選ぶ場合は、テーマや過去の値上がり率だけではなく、売買高・売買代金・気配値・スプレッド・市場価格とiNAVの差も確認することが重要です。

賃上げが続けば株価も上がるとは限りません。税制変更、企業利益、配当、流動性まで含めて判断しなければ見落とすポイントがあります。最終ページで整理します。