実家売却の完全ガイド|査定・売却サービスの比較から相続、税金、片付けまで解説

実家の査定・売却サービス6社を比較

不動産一括査定サービスを利用すると、実家の所在地や面積などを一度入力するだけで、対応可能な複数の不動産会社へ査定を依頼できます。ただし、参加している不動産会社、同時に依頼できる会社数、対応物件、査定後の機能などはサービスごとに異なります。

ここでは、実家、一戸建て、土地の売却に利用できる代表的な査定・売却サービスを比較します。掲載内容は2026年7月に各サービスの公式情報を確認したものです。参加会社数やサービス内容は変更されることがあります。

サービス名 運営会社 査定依頼数 主な特徴 向いているケース
不動産売却HOME4U NTTデータ・ウィズ 最大6社 全国約2,500社から対応可能な会社を比較できる 大手と地域密着型の会社をバランスよく比較したい場合
SUUMO不動産売却 リクルート 対応する複数社から選択 不動産会社の売却実績や対応エリアなどを確認しながら依頼先を選べる 会社情報を確認してから査定先を選びたい場合
LIFULL HOME’S不動産売却査定 LIFULL 最大6社 公式ページでは全国5,000社以上の参加会社を案内している 地方の実家や地域密着型の会社も含めて探したい場合
イエウール Speee 最大6社 マンション、一戸建て、土地など幅広い物件に対応 全国対応のサービスで複数社を比較したい場合
すまいValue 大手不動産会社6社による共同運営 対応する運営6社から選択 大手仲介会社へまとめて査定を依頼できる 大手不動産会社の販売力やサポートを比較したい場合
おうちクラベル SREホールディングス 対応する複数社へ依頼 一括査定の申込み後にAIによる相場価格も確認できる 不動産会社の査定額とAI相場を見比べたい場合

サービスの利用料は、原則として無料です。ただし、査定サービスが無料でも、売買契約が成立した場合は、不動産会社へ仲介手数料を支払うことがあります。

不動産売却HOME4U|大手と地域密着型を比較しやすい

不動産売却HOME4Uは、NTTデータ・ウィズが運営する不動産一括査定サービスです。公式サイトでは、全国約2,500社の不動産会社から、最大6社へ査定を依頼できると案内されています。

都市部の大手不動産会社だけでなく、地域密着型の会社も参加しているため、遠方の実家や地方の土地について、現地事情に詳しい会社を探す際にも利用できます。

査定を依頼する会社は表示された候補から選べます。連絡に対応できる時間が限られている場合は、最初から6社すべてを選ぶのではなく、3社程度に絞る方法もあります。

SUUMO不動産売却|会社の情報を確認して選びやすい

SUUMO不動産売却は、リクルートが運営する査定・売却情報サービスです。一戸建て、土地、中古マンションなどに対応しています。

対応エリア、売却実績、店舗情報、得意な物件などを確認しながら、査定を依頼する不動産会社を選べることが特徴です。

実家の所在地にどのような会社が対応しているのかを確認したうえで依頼したい場合や、会社の売却実績を比較したい場合に使いやすいサービスです。

LIFULL HOME’S不動産売却査定|参加会社の選択肢が多い

LIFULL HOME’S不動産売却査定は、LIFULLが運営する不動産一括査定サービスです。公式ページでは、全国5,000社以上の参加会社が案内されています。

物件情報を入力した後、対応可能な不動産会社の詳細や特徴を確認し、査定を依頼する会社を選択できます。

参加会社の選択肢が比較的多いため、都市部だけでなく、郊外や地方にある実家について査定先を探したい場合にも候補になります。ただし、実家の所在地によって表示される会社数は異なります。

イエウール|一戸建てや土地にも幅広く対応

イエウールは、Speeeが運営する不動産一括査定サービスです。マンション、一戸建て、土地などの情報を入力すると、条件に合う不動産会社を最大6社まで選択して査定を依頼できます。

全国の幅広い地域に対応していますが、すべての地域で6社が表示されるわけではありません。人口の少ない地域や特殊な物件では、依頼できる会社が限られる場合があります。

複数社へ依頼すると、それぞれの不動産会社から電話やメールで連絡が入る可能性があります。申込みフォームの備考欄などに、連絡可能な時間帯や希望する連絡方法を記載しておくと対応しやすくなります。

すまいValue|大手不動産会社6社を比較できる

すまいValueは、次の大手不動産会社6社が共同で運営する査定サービスです。

  • 小田急不動産
  • 住友不動産ステップ
  • 東急リバブル
  • 野村不動産ソリューションズ
  • 三井不動産リアルティ
  • 三菱地所ハウスネット

大手仲介会社の店舗網、販売活動、建物保証、設備保証などを比較したい場合に利用しやすいサービスです。

一方で、依頼先は運営する6社に限られます。地域密着型の不動産会社も含めて比較したい場合は、ほかの一括査定サービスや地元会社への直接依頼を併用する方法があります。

おうちクラベル|AI相場と不動産会社の査定を比較できる

おうちクラベルは、SREホールディングスが運営する不動産一括査定サービスです。複数の不動産会社へ査定を申し込んだ後、AIによる相場価格も確認できます。

不動産会社が提示する査定額とAI査定の相場を見比べられるため、極端に高い査定額や低い査定額を判断する際の参考になります。

ただし、AI査定は、過去の取引情報や物件データを基に計算する参考価格です。建物内部の劣化、境界、接道状況、残置物など、現地でなければ確認できない条件は十分に反映されない場合があります。

目的別に選ぶ実家の査定サービス

どの査定サービスが適しているかは、実家の所在地、建物の状態、売却期限、比較したい不動産会社の種類によって異なります。

大手と地域密着型を比較したい場合

大手会社と地域密着型の会社をまとめて比較したい場合は、不動産売却HOME4U、LIFULL HOME’S不動産売却査定、イエウールなどが候補になります。

地域密着型の会社は、地元の買主情報、土地の需要、空き家の取引事情に詳しいことがあります。大手会社は、広い広告網や店舗網、売却支援サービスを持っていることがあります。

大手不動産会社を中心に比較したい場合

大手不動産会社へまとめて相談したい場合は、すまいValueが候補になります。

ただし、地方や郊外では6社すべてが対応しているとは限りません。対応会社が少ない場合は、地域密着型の会社にも査定を依頼すると比較しやすくなります。

古い実家や地方の土地を売りたい場合

古い一戸建てや地方の土地では、参加会社数の多さだけでなく、実家がある地域で実際に売却実績があるかを確認することが重要です。

査定サービスで表示された会社に、次の点を質問しましょう。

  • 同じ市区町村で一戸建てや土地を売却した実績があるか
  • 古家付き土地として販売できるか
  • 買取にも対応しているか
  • 空き家バンクへの登録を提案できるか
  • 解体せずに売る方法があるか
  • 残置物がある状態でも査定できるか

遠方の実家を売りたい場合

遠方の実家では、オンライン面談や査定額だけでなく、現地対応の範囲を比較します。

  • 鍵を預けて内覧対応を任せられるか
  • 室内や敷地を定期的に確認してもらえるか
  • 写真や動画で販売状況を報告してもらえるか
  • 片付け業者や司法書士を紹介してもらえるか
  • 郵送や電子契約で手続きを進められるか

査定サービスを比較するときの注意点

一括査定サービスは不動産会社を探す手間を減らせますが、表示された査定額だけで依頼先を決めるのは避けたほうがよいでしょう。

査定額は売却を保証する価格ではない

査定額は、不動産会社が周辺の取引事例や物件の状態などから予測した売却可能価格です。その金額で売れることが保証されているわけではありません。

契約を得るために相場より高い査定額を提示し、媒介契約後に値下げを提案する会社がないとは限りません。高い査定額が提示された場合は、根拠となった成約事例を確認しましょう。

査定額以外に比較したい項目

  • 査定額の根拠となる成約事例
  • 売り出し価格の提案
  • 想定する売却期間
  • 購入者を集める方法
  • 広告を掲載する媒体
  • 古い建物を残す場合と解体する場合の評価
  • 買取や買取保証への対応
  • 担当者からの報告方法
  • 契約不適合責任へのサポート
  • 仲介手数料や諸費用を差し引いた手取り額

連絡を受ける会社数を調整する

一括査定を申し込むと、選択した複数の不動産会社から電話やメールで連絡が入ります。6社へ依頼すれば、6社と日程や査定方法を調整する必要があります。

連絡の負担を抑えたい場合は、最初に3社程度へ机上査定を依頼し、説明がわかりやすい会社に訪問査定を依頼する方法があります。

査定サービスに参加していない会社もある

不動産会社によっては、特定の一括査定サービスに参加していません。利用するサービスによって表示される会社が異なるため、1つのサービスだけで地域のすべての会社を比較できるわけではありません。

依頼したい会社が決まっている場合は、公式窓口から直接査定を申し込む方法もあります。

実家売却は仲介・買取・買取保証のどれを選ぶ?

査定サービスで不動産会社を探した後は、どの方法で実家を売るかを決めます。主な方法は、仲介、買取、買取保証です。

売却方法 買主 価格の傾向 売却期間 向いているケース
仲介 一般の個人や法人 市場価格に近い金額を目指しやすい 買主が見つかるまで確定しない 価格を重視し、売却を急いでいない場合
買取 不動産会社 仲介より低くなる傾向がある 条件が合えば比較的早い 早期売却、古い家、残置物が多い場合
買取保証 一定期間は一般の買主、その後は不動産会社 仲介価格と保証価格が設定される 期限を決めやすい 期限までに売却したいが、最初は仲介を試したい場合

価格を重視するなら仲介

仲介では、不動産会社が広告や店舗網を利用して一般の購入希望者を探します。条件の合う買主が見つかれば、買取より高い価格で売却できる可能性があります。

一方で、売却期間を正確に予測することはできません。内覧対応、価格交渉、建物の不具合への対応なども必要です。

早期売却を優先するなら買取

買取では、不動産会社が実家を直接購入します。一般の買主を探す期間がないため、条件がまとまれば比較的早く現金化できます。

古い家、雨漏りなどの不具合がある家、家具や荷物が多く残っている家でも相談できる場合があります。

ただし、買取会社は購入後の改修費、解体費、再販売費用などを見込むため、仲介による想定成約価格より低くなる傾向があります。買取を選ぶ場合も、1社だけでなく複数社の価格を比較しましょう。

売却期限を決めたいなら買取保証

買取保証は、一定期間は仲介で一般の買主を探し、期限までに売れなかった場合に、あらかじめ決めた価格で不動産会社が買い取る仕組みです。

すべての不動産会社や物件が対象になるわけではなく、仲介での売り出し価格や買取価格に条件が設けられることがあります。

媒介契約3種類の違い

仲介で売却する場合は、不動産会社と媒介契約を結びます。契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があります。

契約の種類 複数社への依頼 自分で見つけた買主との契約 レインズ登録 業務報告
一般媒介契約 可能 可能 法律上の義務なし 法律上の定期報告義務なし
専任媒介契約 不可 可能 契約日の翌日から7日以内 2週間に1回以上
専属専任媒介契約 不可 原則として不可 契約日の翌日から5日以内 1週間に1回以上

一般媒介契約は複数社へ依頼できますが、各社への連絡や販売状況の確認を自分で行う必要があります。

専任媒介契約や専属専任媒介契約は窓口を一本化でき、定期的な業務報告を受けられます。専任系の媒介契約を結んだ場合は、レインズの登録証明書を受け取り、物件の登録状況も確認しましょう。

実家売却にかかる主な費用

実家の売却代金が、そのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料、登記費用、片付け費用などを差し引いた手取り額で比較することが大切です。

費用 主な内容
仲介手数料 仲介によって売買契約が成立した場合に不動産会社へ支払う報酬
印紙税 紙の不動産売買契約書に課税される税金
登記費用 相続登記、住所変更登記、抵当権抹消登記など
測量費 土地の境界や面積を確認するための費用
片付け費用 家具、家電、衣類、生活用品などの搬出・処分費用
解体費用 古い建物を取り壊して土地として売る場合の費用
譲渡所得税 売却によって利益が出た場合に課税される所得税、復興特別所得税、住民税

仲介手数料の上限

売買価格が400万円を超える物件については、売主が支払う仲介手数料の上限を、簡易的に次の式で計算できます。

仲介手数料の上限=売買価格×3%+6万円+消費税

たとえば売買価格が2,000万円の場合、仲介手数料の上限は税込72万6,000円です。

これは法律で定められた上限であり、必ず上限額を支払うという意味ではありません。媒介契約を結ぶ前に、不動産会社と報酬額を確認します。

800万円以下の物件には仲介手数料の特例がある

2024年7月1日以降、売買価格が800万円以下の宅地や建物では、低廉な空き家等に関する仲介手数料の特例が適用される場合があります。

特例が適用される場合、不動産会社が売主または買主の一方から受け取れる仲介手数料の上限は、税込33万円です。

通常の計算式より高くなることがあるため、媒介契約を結ぶ前に、特例を利用するのか、仲介手数料はいくらになるのかを書面で確認しましょう。

古い実家は解体してから売るべき?

古い実家だからといって、査定を受ける前に解体する必要はありません。中古住宅、古家付き土地、更地のそれぞれについて査定を取り、費用を差し引いた手取り額を比較してから判断します。

建物を残して売るメリット

  • 解体費用を先に負担せずに済む
  • 古民家やリフォーム素材として評価される可能性がある
  • 買主が建物を利用する選択肢を残せる
  • 土地の固定資産税に住宅用地の特例が適用されている場合がある

更地にして売るメリット

  • 建物の劣化を理由に購入を見送られにくい
  • 買主が解体費を負担する必要がない
  • 土地の形状や広さを確認しやすくなる
  • 新築用地を希望する層へ提案しやすくなる

ただし、1月1日時点で住宅が存在しない土地は、原則として固定資産税や都市計画税の住宅用地特例を受けられなくなります。

相続した空き家の3,000万円特別控除にも、建物の耐震性、解体時期、売却時期などの条件があります。査定前に解体契約を結ばず、不動産会社、自治体、税理士などへ確認しましょう。

実家売却では、売却代金の全額に税金がかかるわけではありません。ただし、取得費の資料がない場合や特例の期限を過ぎた場合は、税額が大きく変わります。税金と相続の重要ポイントは次のページで解説します。