無職・低収入の場合に検討できる公的制度

現在無職で安定した収入がない場合、民間カードローンの審査に通ることは簡単ではありません。返済するための収入がない状態で新たな借金を増やすより、生活費、家賃、就職活動費、学費など、目的に合った公的制度を先に確認することが重要です。

無職でも必ず借りられる民間ローンはない

無職であっても、年金、不動産収入、事業収入などの継続的な収入がある場合は、商品によって申込対象になる可能性があります。ただし、無職かどうかだけで一律に判断されるわけではなく、各金融機関が収入状況や返済能力を審査します。

配偶者に安定収入がある場合でも、すべてのカードローンを利用できるわけではありません。配偶者貸付けに対応しているか、本人の収入が申込条件に含まれているかなど、商品ごとの条件を確認する必要があります。

収入がまったくなく、返済の見通しも立っていない場合は、借入れによって一時的に支払いを乗り切れても、翌月以降の返済が新たな負担になります。生活に必要なお金が不足しているときは、自治体の自立相談支援機関や社会福祉協議会に相談すると、家計、住居、就労などを含めた支援策を一緒に検討してもらえます。

緊急かつ一時的な生活費には緊急小口資金

生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯などの生活を支える公的な貸付制度です。原則として、居住地域の市区町村社会福祉協議会が相談窓口となります。

緊急小口資金は、緊急かつ一時的に生計の維持が難しくなった場合に、少額の生活費を貸し付ける制度です。貸付上限は原則10万円以内で、無利子、保証人不要とされています。

総合支援資金の生活支援費は、失業や収入減少などによって生活の維持が難しく、生活再建までの支援が必要な世帯を対象とする制度です。貸付上限や貸付期間は、世帯人数や状況によって異なります。

いずれも、申請すれば必ず借りられる制度ではありません。世帯の収入、資産、生活状況、今後の生活再建の見通しなどを確認する審査があります。また、申込みから送金まで一定の期間がかかるため、即日で現金を受け取れる制度ではありません。

新型コロナウイルス感染症に伴って実施されていた緊急小口資金や総合支援資金の特例貸付は、すでに申請受付が終了しています。現在利用できる制度については、居住地域の社会福祉協議会に確認してください。

家賃が払えない場合は住居確保給付金を確認する

離職、廃業、やむを得ない収入減少などによって家賃の支払いが難しい場合は、住居確保給付金を利用できる可能性があります。

住居確保給付金は借金ではなく、一定の収入、資産、求職活動などの要件を満たす人を対象に、自治体が家賃相当額を支給する制度です。支給額には地域や世帯人数に応じた上限があり、原則として自治体から賃貸人や不動産管理会社へ直接支払われます。

支給期間は原則3か月で、一定の要件を満たす場合は延長できることがあります。対象条件や支給上限は市区町村によって異なるため、地域の自立相談支援機関に相談しましょう。

再就職を目指す場合は求職者支援制度も確認する

雇用保険を受給できない求職者などには、無料の職業訓練を受けながら就職を目指せる求職者支援制度があります。

一定の収入、資産、訓練への出席などの要件を満たす場合は、職業訓練受講手当や通所手当などを受給できる可能性があります。借金をして当面の生活費を用意する前に、返済不要の給付を利用できないか、住所地を管轄するハローワークで確認することが大切です。

生活そのものが成り立たない場合は生活保護も相談できる

収入や資産、ほかの制度を活用しても最低限度の生活を維持できない場合は、生活保護を利用できる可能性があります。

生活保護は貸付けではなく、生活、住宅、医療などに必要な費用を支給する制度です。借金があることだけを理由に申請できないわけではありませんが、保護費を借金の返済に充てることは原則として認められていません。

生活費や住居を確保できないほど困っている場合は、居住地域を管轄する福祉事務所に相談できます。住民票がない、家族に連絡されたくないといった事情がある場合も、まずは現在の状況を相談しましょう。

奨学金を借りたい場合は学校の窓口へ相談する

進学費用や在学中の生活費が必要な場合は、一般的なカードローンではなく、日本学生支援機構の奨学金、学校独自の奨学金、自治体の奨学金、生活福祉資金の教育支援資金などを確認しましょう。

日本学生支援機構には、返済不要の給付奨学金、無利子の第一種奨学金、有利子の第二種奨学金があります。申込時期や家計基準、学業に関する基準が設けられているため、在学している学校や進学予定の学校の奨学金窓口へ早めに相談することが大切です。

進学後に家計が急変した場合には、年間の通常募集とは別に、家計急変採用や緊急採用、応急採用の対象になる可能性があります。保護者の失職、病気、災害などで学費の支払いが難しくなった場合は、学校へ事情を説明しましょう。

保護者が教育費を準備する方法としては、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」もあります。学校納付金のほか、受験費用、住居費、教科書代などに利用できる場合がありますが、世帯年収などの申込要件と審査があります。融資限度額や金利は変更されることがあるため、申込時点の最新情報を確認してください。

親・友達・後輩から借りる場合の頼み方と注意点

親や友達など身近な人から借りる場合、金融機関のような審査や高い利息がないこともあります。しかし、お金の貸し借りは人間関係を損なう原因にもなるため、少額であっても借入額、返済日、返済方法を明確にする必要があります。

理由・金額・返済日を曖昧にしない

単に「お金を貸して」と頼むのではなく、何に必要なのか、なぜ不足したのか、いくら必要なのか、いつ返すのかを説明します。

例えば、次のような伝え方が考えられます。

急な医療費で3万円不足しています。今月25日の給料日に全額返します。難しければ遠慮なく断ってください。借りられる場合は、返済日と金額を書面に残します。

相手が断りやすい言い方をすることも大切です。返済期限を曖昧にしたり、「すぐに返す」とだけ伝えたりすると、認識の違いが生まれやすくなります。

後輩や部下にお金を借りるのは慎重に考える

後輩や部下など、自分より立場が下の相手は、本当は断りたくても、今後の仕事や人間関係への影響を心配して断れない可能性があります。

威圧するつもりがなくても、役職、評価権限、年齢差、先輩後輩の関係によって、相手が心理的な圧力を感じることがあります。後輩や部下から借りる方法はできる限り避け、公的制度、支払い先への相談、家族への相談などを先に検討することが望ましいでしょう。

すでに借りている場合は、約束した返済日を守り、返済が遅れる可能性が出た時点で早めに事情を説明することが大切です。

家族間でも借用書と返済記録を残す

親子や兄弟姉妹の間であっても、お金を借りる場合は借用書を作成しておくと、後から認識の違いが生じるのを防ぎやすくなります。

借用書には、少なくとも次の内容を記載します。

  • 借りた金額
  • お金を受け取った日
  • 返済期限と返済回数
  • 毎回の返済額
  • 利息を設定する場合はその利率
  • 返済が遅れた場合の対応
  • 貸した人と借りた人の氏名、住所、署名

返済は現金の手渡しだけでなく、銀行振込など履歴が残る方法を利用すると、実際に返済した事実を確認しやすくなります。現金で返済する場合は、領収書を作成してもらいましょう。

親族間の借入れであっても、返済能力や実際の返済状況から本当の貸し借りと認められれば、借りた金額そのものが直ちに贈与になるわけではありません。

一方、「お金ができたときに返す」「出世したら返す」といった曖昧な約束で、実際に返済していない場合は、税務上、贈与と判断される可能性があります。高額な借入れや長期間の貸し借りを行う場合は、税務署や税理士などの専門家へ確認すると安心です。

すでに複数社から借りている場合、新しい借入先を探し続けるほど問題が複雑になることがあります。借りられない理由と、返済が苦しい場合の対応を次のページで確認しましょう。