【2026年版】POとは?公募増資・売出しの違い、株価への影響、応募方法、つなぎ売りまで徹底解説

PO予定銘柄・公募増資一覧|2026年8月28日時点の主な例

POは年間を通じて随時発表されます。ここでは、2026年8月28日時点で公募・売出しが発表され、今後の価格決定などが予定されている主な国内上場株式の例を紹介します。

銘柄 コード 主な内容 価格決定期間 確認ポイント
川西倉庫 9322 既存株式の売出し 2026年8月31日~9月2日 売出し43万5,700株、OA上限6万5,300株
大阪チタニウムテクノロジーズ 5726 公募増資など 2026年9月1日~9月4日 国内公募の新株700万株、ディスカウント率4.0~6.0%
リンテック 7966 既存株式の売出し 2026年9月1日~9月3日 売出株数は8月24日に変更が公表されているため最新資料の確認が必要
日本空港ビルデング 9706 既存株式の売出し 2026年9月2日~9月7日 売出し1,002万8,400株、OA上限150万4,200株、ディスカウント率3.0~5.0%

上記は2026年8月28日時点で確認できる主な例であり、すべてのPOを網羅した一覧ではありません。新たなPOの発表、株数変更、価格決定日の変更、中止などが行われる可能性があります。

また、REIT(不動産投資法人)の新投資口発行も証券会社の「PO一覧」に掲載されることがあります。REITの場合は株式会社の「株式」ではなく「投資口」である点にも注意しましょう。

PO予定銘柄を見るときに確認したい8項目

1.公募増資か売出しか

最初に確認したいポイントです。公募増資なら新株発行による希薄化がありますが、既存株式のみの売出しなら通常、新株発行による希薄化はありません。

2.公募・売出株数

販売される株式数を確認します。絶対的な株数だけでなく、発行済株式数や普段の出来高と比較することも重要です。

3.オーバーアロットメントの数量

オーバーアロットメント(OA)とは、当初の募集・売出予定数量とは別に、需要状況に応じて同一条件で追加的な売出しを行う仕組みです。

日本証券業協会の自主規制用語では、オーバーアロットメントによる追加売出しは、募集・売出数量の15%が限度とされています。

4.価格決定日

「8月31日~9月2日のいずれかの日」のように期間で示されることがあります。実際に何日に決まったかは、価格決定後の訂正目論見書や企業・証券会社の最新情報で確認します。

5.ディスカウント率

割引率が大きいほど価格決定時点では市場価格より安く購入できますが、それだけで有利なPOと判断することはできません。

株式需給や企業業績、希薄化なども同時に見る必要があります。

6.受渡日

価格決定日から受渡日までの株価変動はPO投資の大きなリスクの一つです。

たとえば2026年8月25日時点の案内では、大阪チタニウムテクノロジーズは募集・売出価格決定日の7営業日後、日本空港ビルデングは5営業日後が受渡日とされています。

7.公募増資なら資金使途

企業が何のために資金を調達するのかを確認しましょう。

単純に増資額だけを見るのではなく、設備投資などによって将来どのような収益を生み出す計画なのかを見ることが重要です。

8.売出しなら売却理由

売出しでは、政策保有株式の縮減、親会社・主要株主による持分売却、株主構成の改善、流通株式数の増加などさまざまな理由があります。

「大株主が売るから悪い」と単純に判断せず、企業の開示資料で売出しの目的を確認しましょう。

PO銘柄・公募増資一覧はどこで確認すればいい?

企業の適時開示・IR

最も重要なのは企業自身が公表する情報です。

「新株式発行及び株式売出しに関するお知らせ」「株式の売出しに関するお知らせ」などに、株数、価格決定期間、資金使途、売出株主、希薄化などの情報が記載されています。

証券会社のPOページ

実際にPOへ注文する場合は、取扱証券会社の情報確認が欠かせません。

証券会社のPOページでは、需要申告期間、価格決定日、ディスカウント率、購入申込期間、受渡日などが掲載されます。

証券会社ごとに取扱銘柄が異なる点にも注意しましょう。

TDnetなどの企業開示情報

上場会社の公募増資や売出しは重要な企業情報です。企業のIRページだけでなく、日本取引所グループの適時開示情報などでも公表内容を確認できます。

POについてよくある質問

POと公募増資は同じですか?

完全に同じではありません。日本の株式取引で使われるPOには、公募増資だけでなく、既存株主による株式売出しも含まれるのが一般的です。

POが発表されたら株価は必ず下がりますか?

必ずではありません。公募増資では希薄化、売出しでは株式需給が意識されて下落することがありますが、企業の成長性、資金使途、市場環境などによって株価の反応は異なります。

PO価格はいつ決まりますか?

会社が公表する価格決定期間内に決定します。価格決定日の市場価格や投資家の需要状況などを踏まえて決められる案件があります。

PO価格より市場株価が安くなることはありますか?

あります。PO価格決定後に株価が下落すれば、市場株価がPO価格を下回ることがあります。

ディスカウント率が大きければ儲かりやすいですか?

利益は保証されません。ディスカウント率以上に市場株価が下落すれば損失になります。

POは注文すれば必ず買えますか?

いいえ。募集・売出株数には限りがあります。申込みが多い場合には抽選や配分となり、購入できないことがあります。

POのつなぎ売りは自由にできますか?

公募増資等に関連する空売りには法令上の規制があります。また、信用取引には空売り価格規制、貸株料、逆日歩、売買規制などもあります。利用する証券会社の最新ルールを必ず確認してください。

POとIPOはどちらが儲かりますか?

どちらにも利益の保証はありません。IPOとPOでは価格決定方法や株価変動の仕組みが異なるため、一律にどちらが有利とは言えません。

まとめ|POは「割引率」より公募・売出しの中身を見ることが重要

POとはPublic Offeringの略で、日本の個人投資家向け株式取引では、主に既上場企業の公募増資や株式売出しを意味します。

公募増資では企業が新株を発行して資金を調達するため、株式数の増加による希薄化が重要なポイントになります。一方、既存株式の売出しでは通常、新株発行による希薄化はありませんが、大量の株式が投資家へ販売されることによる需給への影響があります。

POでは価格決定日の市場価格から一定割合を割り引いた募集・売出価格になる案件があります。しかし、「割引価格で買える=必ず儲かる」という仕組みではありません。

価格決定後から受渡日までにも株価は変動します。公募増資による希薄化、市場への供給株数、企業業績、資金使途、市場全体の値動きなどによって、PO価格より株価が下落する可能性があります。

また、信用取引によるつなぎ売りを利用する場合には、公募増資に関連する空売り規制を理解しておくことが不可欠です。

PO銘柄を検討するときは、「公募増資か売出しか」「株数」「希薄化」「価格決定日」「ディスカウント率」「受渡日」「資金使途・売出し理由」をセットで確認しましょう。最終的には目論見書、企業の最新開示、取扱証券会社の最新情報を確認したうえで、自身が許容できるリスクの範囲内で判断することが基本です。

<参考サイト>
金融庁 / 日本取引所グループ(JPX) / 日本証券業協会 / 大和証券 / 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 / 大阪チタニウムテクノロジーズ / 日本空港ビルデング / リンテック / 川西倉庫 / ロイター