【2026年版】TOBとは?株価はどうなる?プレミアム相場・応募手続き・税金までわかる完全ガイド

TOBの税金はどうなる?確定申告が必要なケースを整理

個人が上場株式をTOBで売却して利益が出た場合、一般的には株式等の譲渡所得として税金を考えます。上場株式等の譲渡益に対する税率は、原則として20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)です。

特定口座(源泉徴収あり)の場合

TOBによる売却が特定口座(源泉徴収あり)の取引として適切に処理される場合、証券会社が税額を計算して源泉徴収するため、その口座の譲渡所得については原則として確定申告を不要とすることができます。

ただし、TOB応募のため他社へ株式を移管する場合には、取得価額や特定口座の情報を引き継げる方法で移管されているかを事前に確認することが重要です。口座区分や案件によって取扱いが異なります。

確定申告を検討する代表的なケース

  • 一般口座でTOBによる売却を行った場合
  • 特定口座でも「源泉徴収なし」を利用している場合
  • ほかの証券会社の上場株式等の譲渡益・損失と損益通算したい場合
  • 上場株式等の譲渡損失の繰越控除を利用する場合

特定口座(源泉徴収あり)でも、別口座の利益との損益通算や譲渡損失の繰越控除を利用する場合などには確定申告が必要となります。

要注意|自社株TOBでは「みなし配当」が生じることがある

TOBには第三者が対象会社の株を買うものだけでなく、発行会社自身が自社株を公開買付けする「自己株式の公開買付け」もあります。

個人株主が発行会社自身へ株式を売却する一定の場合、受け取った金銭の一部が株式の譲渡代金ではなく「みなし配当」として扱われることがあります。

この場合は一般的な第三者TOBとは税務処理が異なります。具体的なみなし配当額や譲渡所得の計算は、発行会社からの通知、公開買付説明書、証券会社の案内を確認してください。金額が大きい場合や判断が難しい場合は、税務署や税理士などの専門家への確認が安全です。

株式公開買付銘柄はどこで確認できる?

株式公開買付銘柄は年間を通じて入れ替わります。現在進行中のTOBを確認するときは、古い一覧記事だけに頼らず、最新の公的開示を確認することが重要です。

まず確認したいのはEDINET

公開買付者は金融商品取引法に基づき「公開買付届出書」などを提出します。金融庁の電子開示システムEDINETでは、公開買付届出書、訂正届出書、公開買付報告書などを確認できます。

公開買付価格だけではなく、買付期間、買付予定数の下限・上限、買収目的、価格算定の根拠、TOB後の方針などを確認できる重要な資料です。

対象会社の適時開示も確認する

上場会社によるTOBへの賛否、応募推奨の有無、上場廃止予定などは、対象会社の適時開示資料で確認できます。日本取引所グループ(JPX)の情報や各社IR資料もあわせて確認するとよいでしょう。

応募可能な銘柄は公開買付代理人の案内で確認

証券会社のTOBページでは、その証券会社が公開買付代理人として取り扱う銘柄や、応募期間、買付価格、手続き方法などが掲載されています。

TOBは期間延長や買付価格変更が行われることもあるため、最初に公表された資料だけで判断せず、訂正届出書や最新のお知らせまで確認することが大切です。

TOBが発表されたら確認したい9項目

  • 公開買付価格はいくらか
  • 発表前株価に対するプレミアムは何%か
  • 公開買付期間はいつまでか
  • 買付予定数の下限・上限があるか
  • 対象会社は賛同・反対のどちらを表明しているか
  • TOB成立後に上場廃止が予定されているか
  • 公開買付代理人はどの証券会社か
  • 株式移管が必要か、応募締切に間に合うか
  • 税務上どの口座区分で処理されるか

TOBについてよくある疑問

TOBに応募しないと損をしますか?

一概には言えません。上場が維持されるTOBもあれば、成立後に非公開化・上場廃止が予定されているTOBもあります。応募しない場合の扱いは案件ごとに異なるため、TOB後の方針を確認する必要があります。

TOB価格まで株価は必ず上がりますか?

いいえ。TOB価格付近まで上昇するケースはありますが、成立リスクなどからTOB価格を下回る場合があります。反対に価格引き上げや対抗TOBへの期待から市場価格がTOB価格を上回ることもあります。

TOBプレミアムが高ければ良いTOBですか?

プレミアム率だけでは判断できません。発表前の株価が企業価値を十分反映していたか、価格算定の根拠、過去の株価推移、将来利益、対象会社の意見なども重要です。

TOBに応募すれば必ず全株売れますか?

必ずとは限りません。買付予定数に上限があるTOBでは一部しか買い付けられない可能性があります。また、下限条件を満たさずTOB自体が不成立となる場合もあります。一方、公開買付け後の所有割合が3分の2以上となる一定の場合には、原則として全部買付義務があります。

まとめ|TOBは「価格・成立条件・その後」の3点を見る

TOB(株式公開買付)が発表されたとき、最初に公開買付価格だけを見てしまいがちですが、本当に重要なのは「いくらで買うのか」「どの条件なら成立するのか」「成立後に会社と株式がどうなるのか」の3点です。

TOB価格には市場株価へのプレミアムが付くケースが多い一方、プレミアムに決まった相場はありません。また、TOB発表後の株価が必ず公開買付価格と一致するわけでもありません。

実際に応募する場合は公開買付代理人の確認、必要に応じた口座開設・株式移管を早めに行い、公開買付説明書の最新情報を確認しましょう。税金についても、第三者によるTOBと発行会社自身による自社株TOBでは扱いが異なることがあります。

特に2026年5月1日から日本の公開買付制度は重要な改正が施行されています。古い解説だけで判断せず、金融庁、EDINET、日本取引所グループ、対象会社の最新開示を確認することが、TOBを正しく理解するための基本です。

<参考サイト>
金融庁 / e-Gov法令検索 / EDINET / 日本取引所グループ(JPX) / 国税庁 / 経済産業省 / 大和総研 / 野村證券 / 三菱UFJモルガン・スタンレー証券