債務整理にかかる費用の目安
債務整理の費用は、選ぶ手続き、債権者数、借金額、財産の状況、裁判所の運用、事案の難しさによって変わります。「着手金無料」と表示されていても、手続き費用、報酬金、実費などが別に発生する場合があるため、総額で比較することが重要です。
| 手続き | 主な費用項目 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 任意整理 | 相談料、着手金、1社ごとの手続き費用、減額報酬、実費 | 債権者数を含めた総額、和解後の返済代行手数料 |
| 個人再生 | 専門家費用、申立実費、予納金、個人再生委員の報酬など | 住宅ローン特則の有無、再生委員費用 |
| 自己破産 | 専門家費用、申立実費、予納金、管財人費用など | 同時廃止か管財事件か、追加費用の条件 |
| 特定調停 | 申立手数料、郵便切手代など | 自分で出廷・書類作成を行えるか |
法テラスの費用は一般的な相場ではなく立替基準の参考
法テラスの民事法律扶助では、収入や資産などの条件を満たす場合に、無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替制度を利用できる可能性があります。
法テラスが示す任意整理の費用例では、債権者1社の場合は着手金と実費の合計が4万3,000円、5社の場合は13万5,000円です。自己破産では、債権者が1~10社の場合の着手金と実費の合計例が15万5,000円とされています。
これらは民事法律扶助を利用する場合の目安であり、民間の法律事務所や司法書士事務所に依頼する場合の一律の相場ではありません。事案の難易度や裁判所へ納める費用によって、実際の負担額は変わります。
債務整理を弁護士と司法書士のどちらに依頼するか
弁護士と司法書士では、債務整理で対応できる業務範囲が異なります。借金額や希望する手続きに合わない専門家へ相談すると、途中で弁護士への引き継ぎが必要になる場合があります。
弁護士は借金額や裁判所の種類による代理権の制限がない
弁護士は、任意整理の交渉に加え、個人再生や自己破産の申立代理人として地方裁判所の手続きを行えます。借金額が大きい場合、債権者との訴訟が見込まれる場合、自己破産や個人再生を検討している場合は、弁護士へ相談すると手続きを一貫して依頼しやすくなります。
認定司法書士の代理業務には140万円以下の範囲がある
法務大臣の認定を受けた認定司法書士は、簡易裁判所で扱える紛争額140万円以下の民事事件について、訴訟や裁判外の和解交渉などを代理できます。
債務整理では、一般に債権者1社ごとの借金額が140万円を超える場合、認定司法書士は代理人として交渉できません。また、個人再生や自己破産は地方裁判所の手続きであるため、司法書士へ依頼する場合は裁判所提出書類の作成支援が中心となります。
司法書士へ相談するときは、認定司法書士であるか、1社ごとの借金額が業務範囲内か、裁判手続きへ移行した場合にどこまで対応できるかを確認しましょう。
債務整理サービスを比較するときのポイント
債務整理サービスの比較では、広告に表示された相談料や着手金だけでなく、実際に手続きを担当する資格者、対応範囲、追加費用、連絡体制などを確認する必要があります。
比較前に確認したい7つの項目
- 弁護士法人または司法書士法人などの運営主体
- 担当する弁護士・司法書士の氏名と所属
- 任意整理、個人再生、自己破産の対応範囲
- 着手金、手続き費用、報酬金、実費を含む総額
- 分割払いの可否と毎月の支払額
- 依頼後の連絡方法と相談できる時間帯
- 途中解約や手続き変更時の費用
借金減額診断や相談予約サイトは、相談のきっかけとして利用できますが、診断結果だけで実際の減額金額が確定するわけではありません。借入先、取引期間、利率、収入、財産などを専門家が確認して初めて、適切な方法を判断できます。
ホワイトリーガルへ債務整理を依頼するときの確認事項
司法書士法人ホワイトリーガルは、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求などを案内している司法書士法人です。
公式料金ページでは、任意整理について相談料0円、着手金0円、手続き費用4万4,000円(税込)との案内があります。ただし、依頼する債権者数、対象となる借金、郵送料などの実費、出張の有無によって確認事項が変わる可能性があります。
申し込み前には、1社あたりの費用なのか手続き全体の費用なのか、追加報酬の有無、司法書士が代理できる範囲、自己破産や個人再生で本人が行う作業を、書面による見積もりで確認することが大切です。
「債務整理 アビエス」など名称が不明確な場合の注意点
広告や比較サイトで「債務整理 アビエス」などの名称を見かけても、サービス名だけで依頼先を判断しないようにしましょう。同じ名称や似た名称の事業者が存在する可能性があるためです。
広告の遷移先に、弁護士法人または司法書士法人の正式名称、担当資格者、所属する弁護士会・司法書士会、所在地、電話番号、費用規定が記載されているかを確認してください。
運営会社が法律事務所ではなく、相談者を法律事務所へ紹介するポータルサイトである場合もあります。実際に契約を結ぶ相手が誰なのか、個人情報がどこへ提供されるのかも確認が必要です。
債務整理を依頼するまでの基本的な流れ
債務整理は、最初から手続き方法を自分で決めて相談する必要はありません。借金と家計の状況を整理し、専門家から複数の選択肢について説明を受けたうえで判断します。
相談前に借金と家計の資料を集める
資料がすべてそろっていなくても相談できる場合がありますが、次の資料があると状況を説明しやすくなります。
- 借入先の名称と現在の残高をまとめた一覧
- 督促状、請求書、裁判所から届いた書類
- 給与明細、源泉徴収票、確定申告書
- 預貯金通帳や保険の資料
- クレジットカードやローンカード
- 毎月の家賃、住宅ローン、生活費がわかる家計表
- 不動産や自動車を所有している場合の資料
契約前に複数の手続きについて説明を受ける
任意整理だけを強く勧められた場合でも、個人再生や自己破産を選んだ場合との費用、返済額、財産への影響を確認しましょう。
特に、任意整理後の毎月返済額と専門家費用の支払いを両立できるかは重要です。無理な返済計画で和解すると、再び支払いが難しくなり、個人再生や自己破産へ切り替える必要が生じることがあります。
依頼後は受任通知が債権者へ送られる
弁護士や司法書士が債務整理を受任すると、通常は対象となる債権者へ受任通知を送ります。貸金業者が受任通知を受け取った後は、正当な理由なく本人へ直接取り立てることが法律で制限されます。
ただし、裁判手続きの進行や口座からの引き落としが自動的にすべて止まるとは限りません。給与口座と借入先が同じ銀行である場合など、依頼前に対応方法を確認したほうがよいケースもあります。
返済が苦しくなった段階で早めに状況を整理する
債務整理は借金を無条件でなくす仕組みではなく、返済能力や財産の状況に合わせて生活を立て直すための方法です。手続きが遅れると、遅延損害金が増えたり、訴訟や差し押さえに進んだりする可能性があります。
一方で、収入に対して返済額が過大ではない場合は、家計の改善や債権者への相談によって返済を継続できることもあります。まずは借入先、残高、金利、毎月の返済額、収入と支出を整理し、弁護士、認定司法書士、法テラスなどの信頼できる窓口で、自分に合う選択肢を確認することが大切です。
<参考サイト>裁判所/日本司法支援センター(法テラス)/金融庁/日本弁護士連合会/日本司法書士会連合会/CIC/日本信用情報機構(JICC)/全国銀行協会/司法書士法人ホワイトリーガル





